HIGASHIYAについて

「菓子」はもともと「果子」と書き、干した果実や木の実を食したのが始まりと言われています。和菓子という文化は、身近な自然の恵みをより大きな自然に見立て、暮らしの中で四季の変化を愉しもうとする日本人の心の豊かさから生まれました。HIGASHIYAとは、つまり、〝日々の果子〟屋。伝統的な日本の美意識を現代に進化させ、私たちの日常の中に再び息づかせたいという想いが込められています。時代を越えても変わらない伝統的なこと。まだ見たことのない新しいこと。常識にとらわれない豊かな価値。これからの様式。それがHIGASHIYAの志です。

ヒガシヤという名前

和菓子屋の歴史をさかのぼると、宮廷へ菓子を献上するいわゆる老舗の“御菓子司”と、饅頭や団子などをつくる大衆向けの“おまんやさん(お饅頭屋さん)”とに大きく二つに分かれるようです。近年、昔ながらの“街の和菓子屋さん”は私たちの日常からどことなく遠ざかり、洋菓子が気軽に消費される一方で、和菓子には冠婚葬祭の贈り物やおもたせなど、どこかかしこまったイメージを持たれがちです。

日本が誇る菓子の文化を、現代の私たちの暮らしに馴染む“ちょうどいい”存在にしたい。季節感や旬の意味合いを大切にしながら、毎日でも食べられるデイリーユースな和菓子をつくりたい。

そんな想いを込めて日々の菓子屋=“日果子屋”、ヒガシヤと名付けました。

二〇〇三年、ヒガシヤ開店。

ヒガシヤの果子

“ちょうどいい”大きさ ―朝生菓子―

従来の型にとらわれず、現代にあったサイズ感につくりなおすこと。ヒガシヤの朝生菓子が一般的なものと比べてひと回り小ぶりなのは、ひとつ食べて満足するよりも好きな味をいくつか愉しめるようにと考えたから。定番の豆大福や本蕨をはじめ、季節ごとに変わる30数種の朝生菓子はどれもヒガシヤ自慢の仕上がりです。和菓子に託した細やかな四季の移ろいを、どうぞお愉しみください。

古来の菓子に想いをよせて ―ひと口果子―

素朴な餡子玉にも、チョコレートのように小さく美しく、彩とりどりの贅沢な愉しみがあってこそ今に活きるはず。そんな発想から生まれたひと口果子は、一見現代的な菓子でありながら、菓子の始まりとされる水菓子(果実)や木の実に想いを馳せてつくりました。新しい表現のなかにもきちんと伝統が生きることを、ヒガシヤは大切にしています。故に、ひと口果子の“果”の字は、果実の“果”なのです。

現代(いま)に贈る和菓子 ―羊羹―

練羊羹の歴史は古く、室町時代にはその原型ができたと云われています。ヒガシヤでは気の利いたおつかいものや気軽なギフトとして羊羹をより多くの方に愉しんでいただくために、シンプルで洗練された、細長い包みでご用意いたしました。それは私たちが考える“現代の贈り物にふさわしい”かたちです。大納言、濃茶、椰子の実、焦蜜――4つの異なる味をお愉しみください。

和菓子の新しいかたち ―最中―

かたちが変われば、おのずと食べ方も変わるもの。今までにない細長い最中をつくろうという発想は、和菓子の食べ方に新しいスタイルを提案したいという想いから生まれました。最中種の職人さんと何度も試行錯誤を繰り返した末に完成したスティック状の最中は、食べやすく、餡と種のバランスが絶妙なひと品。食べる前に自分で餡を絞り入れる愉しみもひとしおです。