十五夜

二十四節気では「秋分」の頃──、
田畑のあぜ道には彼岸花が咲き揃い、秋景色を彩ります。

秋分とは、太陽が真東から昇り真西に沈み、
昼と夜の長さがほぼ等しくなる日のこと。
この日を境に少しずつ陽が短くなり、
秋の夜長に響く虫の音が心地よい時季を迎えます。

旧暦八月十五日(二〇二〇年十月一日)は、
中秋の名月を愛でる「十五夜」。
ススキの穂や秋の七草を飾り、
月見団子を供えて、月に祈りを捧げます。

十五夜は、中国より伝わった満月を愛でる月見の祭事と、
日本に古くからある月を祀る慣わしが結びついたもの。

月の満ち欠けにより月日の流れを知り、
農作業を行っていた古の人々は、
欠けのない満月を、豊穣の象徴として尊んだそうです。
そのため十五夜には、収穫物を供えて豊作を祈り、
秋の恵みに感謝をするようになりました。

かつては、十五夜に限らず、十七夜、十九夜、二十三夜など、
特定の月齢の日に月見をする「月待ち」という
慣しが盛んに行われていました。
多くの人々が集って月の出を待ち、夜通し宴を催して、
その風雅な姿を愉しんだそうです。

遥かなる宇宙や自然へと想いを巡らせる十五夜。
澄み切った夜空に浮かぶ美しい月を心待ちに。