土用

二十四節気では「大暑」の頃──、
朝顔や撫子の花が咲き、夏空を彩ります。

大暑とは、一年で最も暑さが厳しくなる時季のこと。
風鈴や打ち水、夕涼みなど、
涼を呼び込む工夫をして暑気払いをします。

七月十九日は、夏の土用入り。
鰻を食して食養生をするほか、
薬草を入れた「丑湯(うしゆ)」に浸かるなど、
古来より厳しい夏を乗り切るための
さまざまな慣わしが受け継がれています。

土用とは本来、立春、立夏、立秋、立冬の前約十八日間のことですが、
現在は立秋前の夏の土用を指すのが慣例となっています。
土用は、“土の気が旺(さかん)になり事を用うる”という意味の
「土旺用事(どおうようじ)」の略。
この期間は土の中に「土公神(どくしん)」と呼ばれる神様が宿るとされ、
土いじりや土木工事などの行為が禁忌とされています。

土用には、滋養のある鰻や牛肉、身体の熱を取り除く瓜、
疲労回復に効果のある梅干など、
「う」のつくものを食して暑気あたりを防ぐ慣わしがあります。
また、土用に欠かせないのが「土用餅」。
古くは宮中において、ガガイモの葉を煮出した汁で練った餅を味噌汁に入れ、
土用入りの日に食したそうですが、
江戸時代に入ると丸めた餅を小豆餡で包んだ土用餅が、
広く親しまれるようになりました。
餅は力持ち、小豆は赤色が厄除けに通じることから、
これを食せば無病息災で過ごせると言われています。

先人より大切に受け継がれてきた知恵を活かして、
夏を無事に乗り越え、来たる秋を健やかに迎えられるよう。