二十四節気では「白露」の頃──、 空高く秋雲が流れ、野山にはススキの穂が顔を出し始めます。
白露とは「しらつゆ」のことで、次第に秋の気配が深まり、 草木に降りた朝露が白く輝いて見える時季という意味。
月が最も美しく眺められるのもこの頃。 旧暦八月十五日は、中秋の名月を愛でる「十五夜」の日。 古くは里芋を供えて秋の収獲を祝ったことから、 この日の月を「芋名月」とも呼びます。
月見では、月の神の依り代となるススキの穂とともに 里芋の形を模した「月見団子」を供えます。 月明かりに照らされてススキの穂がそよぐ、 それはまさに、秋の実りを満月が予祝するような美しい情景です。
月を前に感謝と祈りをささげ、遥かなる宇宙へと思いを巡らせる月見。 秋の夜空にぽっかりと浮かぶ、大きな満月を心待ちに。
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